静野行政書士事務所

遺言

私が考える遺言とは、あなたの「財産」「想い」をしっかりとつなぐための大切な手続です。また、遺された大切な家族にあてるあなたからの最後のメッセージでもあります。

  • 「遺言書が必要なほど財産を持っていない」
  • 「うちは家族みんな仲がいいから大丈夫」

そんな気持ちの人ほど注意が必要です。

特に遺言書作成の必要性が高い方

相続人が二人以上いる場合

夫婦間に子供がいない場合

配偶者の方以外に被相続人(故人)の親や兄弟姉妹等が相続人になる可能性があるため、遺産分割協議がまとまらないことが予想されます。遺言書を残すことで、遺産分割協議をせずに、原則すべての財産を配偶者に相続させることが可能です。

相続人の中に財産をあげたくない人がいる、又は相続人同士が不仲である

遺産分割協議は相続人全員で行わなければならないことになっていますので、相続人同士の協議が進まなければ相続手続が長期化することになります。遺言書が作成してあれば、遺産分割協議をせずに、原則指定された財産の相続手続を単独で進めることが出来ます。

法定相続人以外に財産を残したい方

原則的には遺言書を作成しなければ、法律で定められた相続人以外に財産を引きつがせることが出来ません。

個人事業や農業をされている方

遺言書で後継者を指名することに加え、その後継者の方に事業資産が集まるようにしておかないと、事業資産や権限が分散してしまい、事業の継続に支障が出る可能性が高くなります。

前妻との子供がいる方

前妻と離婚した時点で、前妻との相続関係はなくなるのですが、子供はそうはいきません。 相続は日常的な関係ではなく、戸籍の関係で見ます。相続が開始し、被相続人の戸籍を調べてみたら初めてそういう事実(前妻がおり、その子までいた事実)が発覚することもあるくらいなのですが、そんなに疎遠な関係であっても、法定相続人であることには変わりありません。そして、どんなに疎遠であっても、遺言が無ければ「平等に」相続する権利があります。被相続人の晩年もずっと身近に寄り添ってきた子も、離婚によってもう数十年顔も見ていない子も、「平等」なのです。

内縁の夫婦

婚姻届は出していなくとも、長年連れ添ってきた夫婦もあると思います。生前贈与していれば別ですが、内縁の夫(妻)には遺言を残さない限り遺産を渡すことはできません。内縁の夫婦間に子供がいて、その子供に財産を残してあげたい時も同様ですのでぜひ遺言を残してあげましょう。
なお、内縁の夫婦間に子供がいる場合で被相続人が男性の場合、その子供を認知していればその子供には法定相続分が発生しますので、遺言がなくても多少の遺産を相続する権利があります。

遺言の種類

一般的に利用されることが多いのは、すべて自分で書く「自筆証書遺言」と公証役場での手続を経て作る「公正証書遺言」です。(他に「秘密証書遺言」があります。)

自筆証書遺言

遺言遺言者が、遺言書の全文、日付、氏名を自書し、押印した遺言です。裁判所の検認が必要です。

メリット・デメリット

自筆証書遺言を作成するメリット
  1. 自分の気持ちを自分の文字・言葉で残すことができます。
  2. 最も簡単に作成できます。
  3. 遺言の存在自体を秘密にできます。
自筆証書遺言を作成するデメリット
  1. 紛失・偽造・変造の危険があります。
  2. 文意が不明であるとして遺言の有効性が問題とされる可能性が大きいです。
  3. 遺言の執行には家庭裁判所の検認が必要とされるのですが、手続に2週間から1か月位かかることもあり、限られた時間の中で相続問題を処理するうえで時間のロスが大きいです。
  4. 遺言を書いたけれど、どこかにしまったままで見つからず、結局、遺言が無かったものとして相続手続がなされてしまうことがあります。

公正証書遺言

遺言者が公証人に遺言の趣旨を口授して、公証人が作成する遺言です。二人以上の証人の立会いが必要です。裁判所の検認が不要です。

公正証書遺言を作成するメリット
  1. 公正証書遺言は、公証人の面前で作成しますので、偽造・変造・紛失の危険が無く(原本が公証人に保管されます)、したがって家庭裁判所の検認が不要になります。
  2. 公証人が関与しますので、遺言の有効性が問題となるおそれが少ないです。
  3. 公正証書遺言は、遺言者自ら全文を書かなくてもよいですので、遺言者が重病の場合に便利です。
公正証書遺言を作成するデメリット
  1. 自筆証書遺言に比べて作成費用がかかります。
  2. 手続が面倒です。
1.遺言執行者を指定しておくと良い

遺言執行者とは遺言書に従って財産の分配等をする権限を持つ人です。遺言執行者を定めることで、各相続人が勝手に相続手続をしてしまうのを防ぐことが出来ます。 遺言執行者は相続人の中から選ぶことも出来ますが、中立な第三者(出来れば法律の専門家)を指名しておいたほうが、「遺言執行者である相続人が自分の取り分が多くなるように細工した」、などと争うようなトラブルを減らせます。

2.遺留分について

兄弟姉妹以外の法定相続人は、たとえどんな内容の遺言書が残されていたとしても、相続財産のうち民法で定められた最低限の割合分(遺留分)の権利を主張できます。 ただし、遺留分を侵害した遺言書が直ちに無効なのではなく、遺留分権利者から権利の主張があったときに、その遺留分を侵害する部分は遺言どおりにならなくなります。 したがって、遺言書を作成する際は遺留分も考慮した分配や、もし遺留分を主張された時にどの財産を渡すかも考えておくことが重要です。

遺言書の作成〜執行までの流れ

遺言書

1.遺言書の作成

あなたの意向に従った遺言書の作成を、お手伝いをします。 財産の分配はもちろん、それ以外の事でも「もしもの時はこうして欲しい」を、何でもご相談ください。遺言の内容が決まったら最後に、「遺言執行者として遺言執行士○○を指定し、報酬を遺産総額の○%とする。」といった取り決めをして、遺言書に記載します。 遺言執行者とは遺言書に従って財産の分配等をする権限を持つ人です。遺言執行者を定めることで、各相続人が勝手に相続手続をしてしまうのを防ぐことが出来ます。 遺言執行者は相続人の中から選ぶことも出来ますが、中立な第三者(出来れば法律の専門家)を指名しておいたほうが、「遺言執行者である相続人が自分の取り分が多くなるように細工した」、などと争うようなトラブルを減らせます。

2.遺言執行者の就任

遺言執行士は、遺言者が亡くなられたという知らせを受けたら速やか「遺言執行者に就任する旨」の通知を相続人全員に通知します。

3.遺産の調査

相続財産の状況を確認し相続財産目録を作成、相続人全員に交付いたします。 遺言書の内容についても相続人全員に交付してお知らせし、相続財産の全体像を把握していただきます。相続税が課税される場合は相続税の申告を税理士に依頼します。 この際、財産以外に遺言者が希望されている内容について説明を行い、相続人全員に内容の確認を求めます。

4.遺産の分配

預貯金を、遺言書の指示に従って名義変更・解約などの手続きを行い、相続税が課税される場合は相続税を納付します。不動産の移転登記の必要なものは、司法書士に依頼します。また、並行して遺言者からの様々な依頼についての処理を行い、分配できるものから分配します。

5.遺言執行完了の通知

遺言執行手続きが完了したら、相続人全員に執行完了の通知をいたします。通常、遺言執行に着手してから、全ての処理が終わるまで3~4ケ月程度かかりますが、内容によってそれ以上の時間がかかる場合、または、もっと早く完了する場合もあります。例えば、「不動産を売却して、代金を分配する」というような指示の場合は半年から一年を要することもあります。

料金表

サービス
報酬額(税込)
自筆証書遺言
30,000円~
公正証書遺言
60,000円~
証人立会い費用
1名につき10,000円
遺言執行者就任
財産額の1% ただし、最低 150,000円

上記価格には公証人手数料等の実費は含まれておりません。